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※敬称略・順不同


          俳優
          田中圭
          大好きな城定監督の作品に、大好きな山田裕貴と
          松本まりかのタッグ。
          3人ともマーベラスです。
          監督ならではの引き込んでいく1カットの連続。
          裕貴の言葉で語らない感情の淀み。
          まりかちゃんの美しい憔悴。
          ヒューマン映画でした。
          人間ってなんでこんなに怠惰的で。クズで自分勝手なんだろう。
          と見ていてどうしようもないその瞬間も、最悪の出来事も、何かのきっかけを与えてくれているのかもなと。
          微かな希望に、必死でくらいつく2人は人間でした。
          色々なきっかけをちゃんと見つけられるような人生を歩もう。
          と改めて強く思いました。
          「夜、鳥たちが啼く」を制作してくださった皆様。
          ありがとうございます。

          俳優 
          磯村勇斗
          慎一と裕子の静かに意識し合う距離感が絶妙に美しい。そんな2人の心を露わにしているかのように、鳥の鳴き声が心を揺さぶる。
          作家としての慎一のもがき、そして、彼の内側に潜む凶暴性。
          プレハブの窓から覗く慎一の目から、現在の生き様を伺える。その姿がとても印象的でした。

          小説家
          カツセマサヒコ
          甘く怠惰な時間が一生続かないことくらい、誰だってわかっている。
          それでも今この瞬間、
          傷が少しでも癒えるのなら、
          僕もまた二人と同じような決断をしていたのかもしれない。

          小説家 
          山下紘加
          映画の中盤で、慎一は服の袖をめくり、クラゲに刺された腕を裕子に見せる。
          赤く腫れて痛みを伴う痕を、彼女は細い指先でなぞり、舌で舐める。舌の熱さが強張った心をほぐし、傷が癒えていくとともに、新たな関係性が紡がれる。互いが最も心地よいと思える距離を保ちながら共棲していくラストは、新しい生き方の形を提示してくれたようだった。

          フリーアナウンサー
          宇垣美里
          どうしたって傷つきたくないから、
          期待するのをやめた癖して、
          漂う寂しさを持て余す。
          不器用な2人が、ただ痛々しくてやるせない。
          でもそんな不条理な人間同士だからこそ、
          癒せる傷があり、結べる関係がある。
          役者たちの体当たりの演技の先に、
          歪に光る希望のようなものを見た。

          作家
          遠野遥
          この映画を観たことで、暴力について考える機会を得た。
          ここのところ暴力について考える機会がなかったという人にこそ、この映画を推薦したい。

          漫画家
          今日マチ子
          母屋と離れ、隣り合う箱を行き来するふたり。孤独な人間が寄り添う一瞬の暖かさは、
          開いては消える打ち上げ花火のようだ。

          作家  岩井志麻子
          鳥籠の中の鳥たちは、囚われの身に見えるかもしれないが、好きな歌を歌っている。そして鳥籠も、鳥たちにとって安らぐ巣には違いないのだ。

            エッセイスト こだま
            息が詰まる夜の終わりに、こんな光が射す瞬間があるのなら、無様でも生きてみようと思える。多くを語らない、吐き出せない人たちの、はじめの一歩。

            漫画家  新井英樹
            振り返って動きを止めてる人間を見つめる
            「だるまさんがころんだ」ごっこ。
            動きを止めて抑えていたものを
            小さく動かす瞬間と動き出した時間に
            答えはなくても、生きる歓びは見つけられる。
            人生は小さく期待できる!

          映画感想TikTokクリエイター
          しんのすけ
          良い映画は俳優の可能性を観客に示してくれる。
          次の瞬間何をしてしまうか予想が出来ない心が不安定な主人公・慎一を、あらゆる無表情を使い分けて山田裕貴は演じ切った。人の生活空間がSNSで拡大した今、この映画は“幸福とは何か”を我々に問うてくるのだ。

            作家  内藤みか
            山田裕貴さんの魂の演技に圧倒された。
            絶望し、自暴自棄になりながらも、なお誰かを求めてしまうアンバランスな日々。張り詰めた苦しみが胸に深く刺さった。
            彼の涙が、泣きながら何かを必死に探し求める小説家としての苦悩の表情が、まだ目に焼き付いている。

            エッセイスト ものすごい愛
            重なる後悔、大きな失望、不寛容な周囲、孤独な日々……
            様々な息苦しさから解放されたがっているはずなのに、彼らはどこまでも刹那的で不自由だった。でも、私たちが口を出していい謂れはない。だって彼らと私たちは無関係な他人なのだから。

            ライター あたそ
            人の心の隙間や空白を埋めるのは他者の存在でしかなく、欠点だらけのふたりがどうしようもなく求めあう姿は不完全で、みっともない。だから美しいのかもしれない。佐藤泰志原作の映画に間違いはないと再確認できた。